標題の件,「総合的に見てGRIIIはどうなのか」であるが,これは・・・「及第点」と言えると思う。
というか「及第点」って言葉が一番しっくり来る。
決して「優秀」とか「素晴らしい」とは言えないけれど,「及第点」はあげられる,そんな感じだ。
何度も言うけれどもこのコンパクトな筐体の中に「APS-C」のセンサーを入れて,手ぶれ補正,ダストリムーバブルを入れてきたことは手放しで「素晴らしい!」と言える。
ちょっとダメなAFでさえも「このコンパクトさとの引き換え」と考えれば,目くじらを立てるほどでもない。
ただ,GRを「及第点」にしてしまっているのは,各所に見られるRICOHの「ケチさ」だ。
RICOHの「儲けに対する貪婪さ」と言い換えられる。
「とにかくGRから『部品にかかる費用』を削りに削って,できるだけ利益を多く出そう」という安直な意志がそこそこに垣間見られる。
それらが「本体ホイールボタンが斜めってる」だとか,「そもそもホイールボタンが安っぽいプラスチック」だとか,「前面のホイールボタンが安っぽくてクルクル」だとか,「バッテリーが持たない(容量が小さいバッテリー)」だとか,「こんなにバッテリーが持たないのに充電器が付属しない」だとか,そーゆー問題に直結している。
発売当初で10万オーバーの価格で販売しているカメラのくせして,だ。
なので,正義感が強い人にはおすすめしないカメラだ。
「この価格でこれ?」っていう気持ちになること間違いなしだから。
・GR(GRIII)シリーズを愛してやまない人
(様々な欠点を考慮してもGRシリーズが好きな人)
・RICOHの「なんとしてでもこのGRIIIからできるだけの利益を搾り取るんだ」という驚くほど貪婪な決意を肯んずる人
ならGRIIIはおすすめできるでしょう。
言い換えるならば「GRIIIのいいところも悪いところも知った上で」「まぁいいだろ!」と広い心で受け入れる覚悟がある人,覚悟云々より,GR愛が溢れ出ちゃってる人にはおすすめ,ってことでしょう。
ただひと言言えるのは,「ちょっとでも興味があって,なんとか10万オーバー(発売時現在)の費用を捻出できて,そんなに心狭くないよ,そこそこのことなら覚悟できるよ」という人であれば,ここ数回出されたGRシリーズ(GR,GRII)のなかでは,一番におすすめできる機種です。
ちょっと踏み込んで言うと,「GRIIIが出て,GRIIが値下がりしたから,GRIIでいいや」と言わず(それももちろん選択肢の一つで否定はしませんが),ぜひこの「GRIII」を購入していただきたい。
GR,GRIIに比べれば,本当に驚くほどの進化を遂げていて,それは「結果的には」「(GRIIとGRIIIの間にある)数万円の差」をすぐに取り返せるくらいの価値がある進化だからです。
あっ,ちなみにこうい書き方しちゃってますけど,別にRICOHを嫌いなわけではありません。
決して。
好きでもないけど。